坂本工務店:コラムSakamoto Column

    
家づくりノウハウ
    

2025.04.25

知らずに選ぶと健康リスクも!? 「換気システム」の正しい選び方とは?

こんにちは!
広島・福山市で家づくりを手がけている坂本工務店です。

今回は、家づくりで意外と見落とされがちな「換気設備」について、私たちの実体験や知見を交えながら、わかりやすくご紹介します!


なぜ、換気設備が重要なのか?                

家づくりの際、どうしても間取り・断熱・デザインに意識が向きがちですが、実は「換気設備」も、快適で健康な暮らしを送る上で欠かせないポイントです。

近年の住宅は、製品の工業化が進み、古い家のようなすき間が無くなりました。
これ自体は良いことですが、すき間風がなくなる分、「自然な空気の入れ替え」が難しくなっているのも事実。

その結果...

といった健康へのリスクが増えてしまう可能性もあります。

だからこそ、しっかりと計画された換気システムの導入が、とても重要なんです!

そこで導入された「シックハウス対策」

この問題が深刻化したことで、2003年7月から建築基準法が改正されました。

新しく建てられる家や建物には、「24時間換気システム」の設置が義務化されたのです。

 現代の住宅が抱える「意外な問題」とは?        

省エネ志向が高まるなか、高気密・高断熱が当たり前になり、より一層外気の出入りがほとんどなくなりました。
すきま風が減ったことで、夏は涼しく、冬は暖かくなり、光熱費の節約にもつながっています。

しかしその一方で、新たな問題も起きています。

|気密が悪く換気設備がしっかり機能していないと

・壁内結露が起きる


・ショートサーキットが起き換気できていない部屋もできる

 ※ショートサーキット:換気扇の周りでのみ空気の循環が起こり、部屋全体の空気はほぼ入れ替わらない状況

・二酸化炭素濃度が上がり、集中力の低下も

施工精度や換気設備の選び方でこのようなリスクがあるんです。

|2025年から「断熱等級4」が義務化に!

2025年からは、省エネ基準の改正により、断熱等級4の性能がすべての住宅で義務化されます。
つまり、どの家も「より断熱性が高い=外気とのやりとりが少ない」家になる、ということ。

一見良さそうに見えますが、空気の入れ替えを計画的に行わなければならない新たな課題も...

そのため、24時間換気システムの重要性がますます高まっているのです。


換気の仕組み・設備の種類・設置場所などをしっかりと理解し、計画的に選ぶことがポイントです。


 換気システム選び、どれがベスト?        

換気システムは大きく分けて、第一種換気、第二種換気、第三種換気3つに分類されます。今回は、第一種換気と第三種換気の2つに焦点を当てて、それぞれの特徴を比較してみましょう。

第三種換気(自然給気・機械排気)

第三種換気は、給気を自然の力で取り入れ、排気のみを機械で行う方式です。この方式は、シンプルで設備費用が安価な点が魅力です。基本的に、外の空気はそのまま室内に入ってくるため、外気の温度や湿度がそのまま影響します。

寒いと換気口を閉めてしまったり、虫や花粉などを気にされる方は

フィルターのお手入れなども大変になるデメリットもあります。

ですが、設備がシンプルでコストを抑えやすく、比較的温暖な地域に住む家庭や、湿度、温度の管理を少し妥協してもいいとう方には有効な選択肢です。ただし、気密が不足していると計画的に機能しないことも。

第二種換気(自然給気・機械排気)

外からの新鮮な空気を機械で強制的に取り入れ、汚れた空気は自然排気する方式。
衛生を保ちたいクリーンルームなどにおすすめです。

第一種換気(機械給気・機械排気)

第一種換気は、給気と排気の両方を機械で制御する方式です。最も特徴的なのは、「熱交換器」が内蔵されていること。熱交換器によって、外気を室内の温度に近い状態に調整することができます。これにより、冬は寒くなく、夏は暑くならずに、室内の快適な温度を維持することができます。

また、外から取り入れる空気は、フィルターで汚れや花粉、PM2.5などをしっかり除去できるため、空気の質も守られます。高い気密性を誇る現代の住宅には非常に適した方式であり、特に健康や快適な空気を重視する家庭におすすめです。

       

換気3.jpg


   ではどの換気法式が良いのか?省エネ性や空気環境の事を考えるなら                

「第1種換気」がおすすめです。

選ぶ際には、以下のポイントを確認しましょう:

  1. 全熱交換器の設置場所
     手入れしやすい場所にあるかチェック!
  2. フィルターの位置と性能
     外気の汚れをしっかりブロックし、手の届く場所にあるかが重要。
  3. 施工業者の技術力
     設備は正しく設置されてこそ意味があります。

メンテナンスのしやすさ
 長く快適に使うには、お手入れのしやすさも大切。


家づくりの"見えない部分"こそ、丁寧に

外観や間取りはもちろん大切ですが、換気のように見えない部分にもきちんと向き合うことが、本当に「良い家づくり」だと私たちは考えています。

快適で健康的な暮らしを実現するためにも、ぜひ換気設備の選び方にも目を向けてみてくださいね。

お家のお悩み、換気システム選びに関するお悩みはぜひ坂本工務店にご相談ください。

それではまたお会いしましょう!!


 

詳しい内容はYouTubeでもご紹介しています!
【動画はこちら】▶︎ [換気システムの正しい選び方]

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